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孫正義社長 月産3億枚マスク製造ライン設立「SBは無利益でマスクを供給します」

孫正義社長 月産3億枚マスク製造ライン設立「SBは無利益でマスクを供給します」

https://news.livedoor.com/article/detail/18106885/



「マスク不足の現在、凄い朗報!」

ヤフコメ等を見る限り、一般的には朗報という受け止め方がされているみたいだけれど、自分はちょっと懐疑的。
確かに月産3億枚の供給が実現すればマスク不足はある程度解消されるだろうし、それはとてもありがたい。
ありがたいのだけれど、違う、そうじゃない感がある。
では、孫さんのやり方の何がマズイと思うのか?



1 現時点でマスク製造に参入しようとしている会社の出鼻を挫くことになる


ただでさえコロナ収束後のマスク過剰在庫が心配されている。
そんな折、敢えてマスク生産に投資しようという会社は少ない。
政府の援助があってすら、未だ9社ほどしか参入を表明していないのが現状。
そこに突然現れた月産3億枚という驚異のライバル。
この存在が、今後、参入してくれた8社の足枷になるかもしれないと思うと心配である。

確かに競争してもらうのは資本主義社会においては当然のことだし、社会がそれを是としてもいる。
しかし、その競争のために国内のマスク産業が壊滅状態に陥り、結果として中国マスク工場独り占め状態が出来上がったという話はまだ記憶に新しい。
せっかく国内回帰の萌芽が出始めた矢先に、巨大な黒船が入ってきたのではまとめて潰されかねない。

また穿った見方をすれば、中国側にとっても今回の提携話は非常に美味しいだろう。
渡りに船といったところに違いない。
なにしろ中国が今最も恐れていることは、今後、今まで確保してきた世界のシェアを奪われることにある。
それを阻止するためには、やはり圧倒的な物量でもって「萌芽」を潰しておく必要がある。
ここで一気にシェア拡大を図り、日本勢の参入を最小限に食い止めることができるならば、価格競争の点において再び一強独裁に近い状態を構築することが可能になる。
3億枚という驚愕の数字を提示してきたのには、そういった思惑があるのかもしれない。



2 中国の会社に中国の工場で作らせている

BYDはITと自動車を主軸にした中国の会社である。
つまり元々の繊維やマスクのメーカーではない。
もっとも、IT部品も扱っていることからクリーンルームは持っているのだろう。
しかし医療用品を扱えるほどの管理能力がどの程度まで高いのかは未知数である。
すなわち、きちんとしたマスクを製造できるのかという心配がある。

特に昨今、欧州において中国製の医療用品に欠陥が多数発見されたことが話題になっている。
枚数を確保してくれたはいいが、粗悪品だらけでは話にならない。



簡潔に言えば、以上の2点から懐疑的になっている。


しかし孫さんの気持ちも分からない訳ではない。
孫さんは別に政府の役人ではないのだから、一企業のトップとして自分の会社の利益を最優先に考えるのは当然のことだ。
それゆえ、自社で日本国内に工場を建て運営してゆくのは、先述した収束後のマスク需要に対する懸念の点からも得策ではない。
東日本大震災後の太陽光発電の時のように、明らかなぼろ儲け話であれば飛びついただろうが、今回は利益の観点からそうもいかないだろう。
とすれば、対外的にも内的にも最大限の宣伝効果をもたらすことができる、中国のBYDを利用するという今回の手法が、今のソフトバンクが採るべき行動としては最適であったように思われる。

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