https://news.livedoor.com/article/detail/19148841/
「竹中氏は9月下旬、BS番組に出演し、BIについて全国民を対象に1人当たり月7万円支給するよう提言。財源は生活保護や年金を縮小して充てるとした。菅政権のブレーンの一人として注目され始めた時期と重なり、波紋が広がっていた。」
竹中平蔵がどれほど学者として有能な人なのかは分からないものの、政治家としては動いてはダメな人だと思う。というのは、小泉政権時代から現在に至るまでの経験則からだ。
確かに、この人のおかげで大手企業が倒産せずに済んだというポジティブな見方もある。しかし他に方法があったのではという指摘も見受けられるし、今の日本社会を蝕む相対的格差に代表される経済問題を鑑みれば、この方の政策は悪手、それも最悪手の部類であったと言わざるを得ない。
で、今回、その反省点が活かされているのかと言えば、おそらく無い。
別のインタビューでは下記のように答えている。
「これまでの現金給付は、消費刺激効果がなかったと言われるが間違いだ。これは景気刺激策ではなく、生活救済策だ。10万円の給付はうれしいが、1回では将来への不安も残るだろう。例えば、月に5万円を国民全員に差し上げたらどうか。その代わりマイナンバー取得を義務付け、所得が一定以上の人には後で返してもらう。これはベーシックインカム(最低所得保障)といえる。実現すれば、生活保護や年金給付が必要なくなる。年金を今まで積み立てた人はどうなるのかという問題が残るが、後で考えればいい」(週刊エコノミスト誌6月2日号『コロナ危機の経済学』)
太字の部分はコロナ禍なので問題ないと思われる。
明らかにダメなのはその後の下線部だ。
ここに竹中平蔵という人の問題点が凝縮されている。
月額5万円でベーシックインカムと言い出している時点で、経済学者なのに計算できないという致命的欠陥を披露している。5万円では生活など到底できないからだ。都内なら家賃で全部持っていかれるレベルで、食費も衣料費もない。家を諦めるか、食べることと着ることを諦めるか迫られるレベルだ。それでは当然ベーシックインカムにはならない。
とはいえこの人が本当に計算できないのか?と言えば、無論そんなことは絶対にないだろう。
政治家ではなく学者なのだから、きちんと計算した上で5万円と言った可能性が非常に高い。
つまりおそらくは生活保護と年金を縮小した上での国家予算の規模から計算して出したのだろう。一般会計を今と同レベルの100兆円、社会保障費分を34兆円と考えると、5万円ならサービスを抑えることによって十分に収まる金額になるはずだ。
このことが意味するのは、彼が「国民を全く見ていない」ということにつきる。
すなわち、国民の生活の現状ではなく、数字のみを見て、そこから答えを導きだしているとしか思えない。
生活に必要な金額から計算すれば、5万円という金額はまず出てこないからだ。
地方差はあるにしても、おそらく最低でも15万円は必要になると思われる。
その後、竹中平蔵は仲間内から諭されたのか、給付額を7万円に引き上げたが、7万円でも生活ができないのは既に彼方此方で指摘されている通りだ。食費を2万円に抑えて、家賃は3万円、光熱費1万円、その他日用品などを1万円におさえればなんとかいけるが、病気したら詰むしかない。
正直言って、この人には国政に二度と関わって欲しくないのだが、菅政権もまた重用するようであれば、本格的に自民党に見切りを付けようと思う今日この頃です。
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